今更聞けない『農業用マルチシート』について徹底解説!色や規格などの特徴をご紹介!

マルチ記事サムネ1 農業

はじめにこんにちは!Mr.パパンです。私はパイプハウスの設計を年間に数十件しています。その知識を元に農家さんや家庭菜園好きの方に農業資材の役立つ情報を発信しています。 この記事ではこんな疑問を解決できます! マルチの色ってどうやって選ぶの? サイズや種類はどんな物があるの? 色による特徴やサイズを理解し適切なマルチを使用し、生産性を向上しましょう!マルチフィルムとは

農業用マルチフィルムとは、農業において畝の表面を覆うために使用されるフィルムのことです。このフィルムは、雑草の抑制土壌(地温)温度の維持など、様々な利点があります。

マルチシートを張ったまま作物に水やりも可能です。

メーカーも多く存在し、積水フィルム・大倉工業・渡辺パイプ・タキロンシーアイ等々あります。

農業用マルチの特徴

色による特徴

農業用マルチフィルムには様々な色があり、色によって特性があります。

イメージ特長
黒マルチイメージ雑草の抑制
白 黒白黒マルチイメージ
地温の抑制
銀 黒銀黒マルチイメージ
地温抑制+防虫忌避
透 明透明マルチイメージ地温上昇
グリーングリーンマルチイメージ地温上昇+雑草抑制
  • 黒:雑草の抑制で役立ちます。最も多く使われている色です。
  • 白黒:地温の抑制で使用されるマルチです。表が白、裏が黒のマルチです。
  • 銀黒:害虫忌避効果があります。表が銀、裏が黒のマルチ。
  • 透明:地温を上昇させる目的で使用されます。
  • グリーン:地温上昇と雑草抑制の目的で使用。イメージとしては透明と黒の中間の効果で使用されます。地温上昇を主にしたい場合はライトグリーン、雑草抑制を主にしたい場合はダークグリーン。目的に合わせて使い分けます。

これらの色を選択することで、畑の状況に合わせて最適なマルチフィルムを使用することができます。

『剥ぎ取り不要』なマルチ

生分解マルチ

最近では、色による特長に加えて環境に優しいマルチフィルムも開発されており、使用後に自然分解することができるものです。従来のプラスチック製のマルチフィルムと異なり、生分解マルチは土壌汚染の問題がありません。

生分解マルチは、トウモロコシやサトウキビのデンプンなど植物由来の素材から作られている物と、石油由来の原料の物があります。どちらも土壌中の微生物によって分解されます。そのため、使用後には土壌中に残留することがありません。

生分解マルチにも黒や白黒マルチはあります。

土壌水分の維持や雑草の抑制など、従来のマルチフィルムと同様の効果があります。

生分解マルチは、環境に優しい農業を実現するための重要なツールです。

※だだし、使用する環境によっては早めに分解する事や、完全に分解させる為には複数回すき込みが必要だったり、製品の特徴をよく理解し使用する事をオススメします!

農業用マルチのサイズ

農業用マルチは、畑に張ることでさまざまな効果をもたらす資材です。その中でも、サイズは、マルチが果たす役割に大きく影響します。

ここでは、農業用マルチのサイズについて、その重要性と選び方について解説します。

サイズは主に厚み・幅・長さを基準に選びます。

厚み

農業用マルチは、厚みによっても種類が分けられます。厚みは0.02mm~0.03mm程度のものが多いです。厚みは、耐久性や遮光性に影響します。

マルチ 厚みイメージ
  • 黒 雑草の抑制を目的として展張されるので、太陽光を防ぐ事が出来れば良いので0.02㎜で効果はあります。
  • 白黒 地温の抑制を目的としている為、0.02㎜以上が良い。オススメは0.025㎜
  • 銀黒 防虫忌避を目的なので、0.02㎜以上であれば良い。
  • 透明 地温上昇を目的にしているので、0.02㎜で良い

農業用マルチ『厚み』選び方

マルチの使用目的に合わせて選びます。以下を参考にしてください!

目的効果オススメ厚み
雑草抑制0.02㎜以上
白黒地温抑制0.025㎜
銀黒防虫忌避0.02㎜以上
透明地温上昇0.02㎜

厚みは使用目的で選ぶ!!

マルチの幅の種類は主に75㎝~230㎝と多く存在します。
一般的な汎用マルチは95㎝幅が一番使われています。トウモロコシサツマイモなど様々な種類の作物を育てる事ができるのが人気の理由です!

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75・80・85・95・110・120・125・130・135・150・180・210・230などなど…

現在では200㎝を越える物もありますが、近年の運送が困難になりつつあり、マルチの幅も180㎝くらいの物が最大となってきそうです。

マルチの幅の選び方は畝幅に合わせて選ぶ必要があります。一般的に、畝幅が60~80cmの場合は幅95cm、畝幅が80~90cmの場合は幅135cmのマルチが使われます。

※またレタスや白菜など、2畝を1本のマルチで覆う事もあります。あくまで選び方の参考にしてください。

農業用マルチ『幅』選び方

農業用マルチの幅の選び方は畝の幅で選びましょう。
※ただし左右に土をのせて飛ばないようにするので最低でも10㎝ずつは余裕を持ちましょう。

幅は畝の幅で選ぶ!!

長さ

最後にマルチの長さについてですが、
マルチフィルムの長さは家庭菜園向けの5m~プロ向けの500m以上と色んな長さがあります。

5m~50m品は畳んである商品もありますが、基本的にマルチは巻物が主流です。

巻き状態のマルチ

ロール品マルチ 写真

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たたみ状態のマルチ

畳み状態マルチ写真

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農業用マルチ『長さ』の選び方

マルチの長さは圃場の広さで選びます。
家庭菜園での使用なら畝の長さで判断すれば良いです。
圃場が大きい場合や専用の機械で展張する方は圃場の大きさやマルチの交換回数などを考慮し選択すると良いでしょう。

長さは圃場の広さ(畝の長さ)で選ぶ!!

農業用マルチの穴開き品

農業用マルチに最初から穴が空いている物を有孔マルチといいます。
マルチの穴は、決まった間隔に種まき定植(苗を植える事)ができるように空いています。

マルチ 有孔イメージ

農業用マルチの有孔品には色々な種類があります。

選ぶ方法として

上記を参考に選びます。

  • 厚み
  • 長さ
  • 穴の空き方 

では、具体的にどのような物があるか解説します!

上記記事にてマルチの厚みと幅・長さについては解説してので割愛します。

穴開き品の種類

有孔規格『条間』

マルチの条間とは、マルチに開けられた穴の列の間隔のことを指します。条間は、作物の種類や用途によって異なります。

マルチ 条間 イメージ

例、トウモロコシ条間45cmで植えるのが一般的です。また、きゅうりはやや狭く30㎝で作物によって条間は異なります!

条間が狭いと生育に影響が出るので作物に適した条間を選択しましょう!

多くのマルチにはラベルに条間が記載してあるので、しっかりと確認しましょう。

有孔規格『株間』

マルチの株間とは、長さ方向に開けられた穴の間隔の事を指します。株間の作物や栽培方法により異なります。

マルチ 株間 イメージ

例、トウモロコシの場合30~35cmで植えるのが一般的です。きゅうりは条間と同じく30㎝と株間に関しても作物や栽培方法によって変わります。

株間同様に狭すぎると生育に影響がでるので適した株間を選択してください!

条間同様にラベルに記載してあります。

有孔マルチ『穴の径』

農業用マルチの穴は作物の種を蒔く時苗を植える時に使用するです!

マルチ 穴径 イメージ

例、トウモロコシ45㎜の穴径の物を使用します。また、大根60㎜70㎜が使われることが多いので作物の地際での成長具合により選択します。

有孔マルチ『穴の開き方』

有孔マルチ最後の説明は、穴の開き方です。難しくないのでサクサクいきましょう!

まずは、穴が長さ方向何列植えたいかを選びます。1列~7列まで可能です。
ちなみに写真のマルチは2列です。

次に穴の開き方が、並列チドリか選びます。
写真のマルチはチドリです。

まとめ

色による特徴
黒:雑草抑制 白黒:地温抑制 銀黒:防虫忌避 透明:地温上昇
規格の選び方
厚み:色により異なる 黒・銀黒・透明:0.02㎜ 白黒:0.025㎜
幅:畝の幅から選ぶ
長さ:圃場から選ぶ
穴の規格
作物の植え方から選ぶ

農業用マルチにはいろんな種類があるのがわかっていただけたでしょうか?
まだまだ紹介できていない物も多くあります。マルチ選びの参考にして頂ければ幸いです。

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